ひと昔前にくらべると、不登校に対する学校や自治体の対応はずいぶん柔軟になってきました。しかし、不登校の子どもたちやそのお父さんお母さんが抱える悩みは、いまも変わりません。「いつになったら学校に行けるのだろう」「勉強がどんどん遅れてしまう」「友だちとうまくつきあえない」「入学できる学校があるのだろうか」「このままで将来どうなるのだろう」などなど、不安があまりに大きすぎて一歩も前に進めなくなってしまう子どもも少なくありません。
1995年、登進研(登校拒否の子どもたちの進路を考える研究会)は、こうした不登校の子どもたちとお父さんお母さんを支援することを目的として設立されました。
設立以来、保護者の方々はもちろん、不登校を経験した若者たち、教師、大学の心理・教育研究者、カウンセラー、教育関係者、医師など、たくさんの方々の協力のもとに、講演会、体験者の話を聴く会、相談会、進路情報の提供、研究活動、出版事業など、さまざまな活動を行っています。
なかでも本研究会の活動の柱となる「登進研バックアップセミナー」(保護者向けの講演会・相談会等)には、毎回、首都圏だけでなく、関東・信越・東海・北陸・近畿・東北など各地から、たくさんのお父さんお母さんが参加されています。
このセミナーでは、現在、保護者の方々が直面している問題や悩みに応えるため、毎回のアンケート調査のほか、随時、質問などを募集し、講演内容やテーマに反映することを心がけています。また、参加者の方々が互いに交流できる時間を設けるなど、お父さんお母さんの気持ちが少しでもラクになったり、ホッとするような場づくりをめざしています。
不登校のお子さんをもつお父さんお母さんは、決してあなた一人ではありません。ぜひ一度、このセミナーにご参加ください。本研究会との出合いによって、みなさまの心のなかに新しい風が吹くことを願っています。
荒井裕司(登校拒否の子どもたちの進路を考える研究会代表)