通信制高校は、自分のペースで学べる自由さがある反面、計画的・継続的に学習を進める自己管理が必要ですが、ひとりでコツコツと勉強するのは意外にむずかしいものです。そこで約10年前に、新しい教育システムとして登場したのがサポート校です。
サポート校とは、一般に「通信制高校に通学する生徒のために、学習面では高校のカリキュラムに合わせて単位取得のためのレポート作成の指導をし、生活面の指導も行い、通信制高校卒業のためのサポートをする学びの場」といわれています。
技能連携校と同様、サポート校に入学した生徒は、同時にそのサポート校と協力関係にある通信制高校にも入学します。ただし、授業や行事、友だちとの交流など高校生活の主体となる場はサポート校ですから、生徒たちは「本籍は通信制高校、現住所はサポート校」にあると考えればわかりやすいかもしれません。
現在、サポート校は全国で約180校、在籍者は1万人にものぼり、不登校生や高校中退者をはじめ、従来の学校システムになじめず新しい生き方を模索したい生徒などが多数学んでいます。学校により、教育方針・環境、規模、カリキュラムなどもさまざまですから、学校見学に行くなどして実際に自分の目で確かめることが大切です。
参考までにサポート校の特色について、いくつかあげてみましょう。
・午前9時半始業など、登校時間をゆるやかに設定し、不登校を経験した生徒が通いやすい環境を整えている。また、少人数制・習熟度別クラス編成により、基礎学力をつけたい、苦手科目を克服したいなど、個々のニーズに対応した学習システムになっている。
・予備校や進学塾を母体としたサポート校も多く、そのノウハウを生かした、きめこまかな進学指導や進学情報の提供により、かなりの大学進学実績を残している学校もある。
・マンガやアニメ、声優、コンピュータ、音楽、福祉など、不登校の生徒が親しみやすく、個性的なテーマをコースとして設定し、楽しく学びながら新しい自分を発見したり、自信を取り戻すことによって、次のステップへの推進力となる授業を展開している。
・必修科目以外に、ボランティアや国際交流、演劇、英会話など多様な選択課目を設け、また、体育祭や文化祭などの行事も充実させ、幅広い興味関心に応える配慮がされている。
・不登校経験者が多く入学してくることから、おおむねカウンセリング体制は充実しており、担任による家庭訪問も積極的に行われている。
サポート校のネットワーク化を図るために、2006年、通信制サポート校ネットワークが設立され、各種活動を行っている。
通信制サポート校 東京ネットワーク