小学生6年という節目を迎えて
中高一貫校での不登校と進学問題
自分の不登校について誰かに話すことを非常に嫌がる小学校6年生の女の子
いま通っている学校をやめようと思っている高校1年生
高校進学を目前にして、突然、不登校になった中学3年生の男の子
「中学に通わずに勉強できる方法はないの?」という小学6年生
「自分は不登校だから大事に扱って」と主張する中学1年の女の子
内申のない子どもに開かれた進路とは
“集団”のなかに入っていこうとしない高校生
「高校どうしようかな」と口にするものの、 まったく動き出す気配のない中学3年生の女の子
大検(高等学校卒業程度認定試験)を受けて大学に進学したい
登校刺激をすると大声を出したり、ものを投げたりする高1の女の子。見守っているだけで、転機はくるのか
小中高とずっと不登校ぎみで、サポート校に転入後も休みがち。 将来、自立できるのかと不安
高校卒業後の進路問題
無理して学校に行っているように見える中学1年の男の子
【回答】田中雄一
お子さんのほうは「ひとりで勉強したい」「中学校に通いたくない」と思っていて、親御さんのほうは「なんとか同じ年齢層の子どもたちと一緒に学習したり、コミュニケーションがとれるようになってほしい」と期待しているわけですが、この両者の希望をかなえる進路としては、フリースクール(資料参照)が考えられると思います。
フリースクールは、とくに小中学生の不登校の子どもたちを対象としており、今では、ほとんどのフリースクールが不登校の子どもたちの居場所としてだけでなく、学習支援も行っています。また、現在では、フリースクールに通った日数は、在籍校の校長の裁量によって出席日数に換算されるようになっています。ただし、あくまで学校長の裁量なので、出席扱いとして認めてもらうには、毎月、フリースクールから、その子の学習状況、出席状況、生活状況の3つを成果として報告することが必要になります。報告は親経由でも、学校の担任の先生に郵送するかたちでもかまいませんが、いずれにせよ、そうした報告をきちんとしてくれるフリースクールを選ぶことが、ひとつのポイントになると思います。
さらに、現在では、フリースクールに対しても通学定期が出るようになっています。これは学校の先生でもご存じの方が少ないようですが、在籍校がフリースクールを「実務・実習の場所」として認めてくれれば、通学定期が買えます。これも学校長の裁量になりますが、フリースクールは地元から離れた場所にあることが多いので、ぜひ学校側に申請することをおすすめします。
フリースクール以外では、公立の場合なら適応指導教室(現在は「適応指導教室」という名称ではなく、「チャレンジ学級」「さわやか相談室」など、県や区ごとにさまざまな名称で呼ばれている)を活用したり、保健室登校を活用するといった方法もあります。
また、あくまで、お子さんの「ひとりで勉強したい」という気持ちを尊重するなら、中卒の認定試験(中学校卒業程度認定試験)を受けるという方法もあります。この試験は、各教育委員会で年1回、だいたい6月頃に実施していますので、「どうしても学校に行きたくない」「でも中卒の資格がほしい」ということであれば、その試験を利用するという方法も考えられます。