小学生6年という節目を迎えて
中高一貫校での不登校と進学問題
自分の不登校について誰かに話すことを非常に嫌がる小学校6年生の女の子
いま通っている学校をやめようと思っている高校1年生
高校進学を目前にして、突然、不登校になった中学3年生の男の子
「中学に通わずに勉強できる方法はないの?」という小学6年生
「自分は不登校だから大事に扱って」と主張する中学1年の女の子
内申のない子どもに開かれた進路とは
“集団”のなかに入っていこうとしない高校生
「高校どうしようかな」と口にするものの、 まったく動き出す気配のない中学3年生の女の子
大検(高等学校卒業程度認定試験)を受けて大学に進学したい
登校刺激をすると大声を出したり、ものを投げたりする高1の女の子。見守っているだけで、転機はくるのか
小中高とずっと不登校ぎみで、サポート校に転入後も休みがち。 将来、自立できるのかと不安
高校卒業後の進路問題
無理して学校に行っているように見える中学1年の男の子
【司会】池亀 良一
ここでは、まずB男くんに、不登校中の勉強はどうしていたのか、お話をうかがいたいと思います。
【回答】B男くん
まず、最初にひと言申し上げるなら、安心してください(笑)、絶対、大丈夫です。
僕は、中学2年の頃からずっと勉強ができなくて、とくに英語と数学が苦手で、先ほど僕の隣に座っておられる小澤先生が英語の先生だったと聞いてびっくりしたんですが、とにかく英語と数学はまったく勉強せずに、得意なのは社会だけという感じで、高校はサポート校に進学しました。
高校でも、あいかわらず数学はダメ、英語はできないということで、それでも大学に入学しましたし、自分の好きな日本史を勉強できましたし、実は来年度、卒業と同時に高等学校の地理・歴史科の一種免許状が取得できるという見込みも…まあ、おそらく大丈夫だと思うんですけど(笑)、ということで、先生にもなれると。
そういった感じで、自分の好きなことが見つけられたら、いかに勉強ができなくても、それに向けて努力できる、頑張れると思うので、学校の勉強ができないからどうのとか、そういうことは、僕はあまり関係ないかなと思います。
勉強をやらなきゃなと思ったきっかけは、実は大学在学中に、この試験をパスしないと教育実習に行けませんと教務課にいわれて、まあ、それはほとんど学生全員がやらなきゃいけないんですが、その問題の範囲が、中学校から高校までの数学、英語、国語、理科、社会と全部で、もう、あせりまくりましたが、友だちをつかまえては「中学校の教科書もってないか」と聞いてまわったり、本屋さんに行って中学の学習参考書を見たりして、懸命にやりました。
頑張ろうという気持ちになったのは、その試験がきっかけだと思うんですが、もっと前からいえば、「学校の先生になりたい」と思ったときが、いろいろ勉強するきっかけになったんじゃないかなと思います。
【回答】田中雄一
先ほど【質問4】のところで少しふれた高卒程度認定試験(旧大検)ですが、2005年度からかなり変化があります。3つポイントがありまして、1つ目は、今まで必須だった家庭科が2005年度からなくなり、逆に、今まで選択科目だった英語が必須になったこと。
2つ目は、【質問4】でもお話ししましたが、全日制高校に在籍しながら受験ができるようになったこと。ただ、高卒程度認定試験に合格した科目について、それを在籍校の卒業単位として認めるかどうかは学校長の裁量に任せられていますので、事前に確認しておく必要があると思います。
3つ目は、総合的に、受験科目が9課目から8課目になったことです。
ご質問に「大検は難しいのではないか」とありますが、試験の内容は、おもに基本事項、重要事項が中心であり、試験のやり方はマークシート方式です。
ただ、今までとの大きな違いは、最初にお話ししたとおり、英語が必須になったことで、このお子さんの場合、「中学2年からほとんど勉強していない」ということですから、英語のように積み重ねの教科については、ちょっと厳しいのかなという感じもします。
ですから、とくに英語に関しては、専門の予備校に行くとか、家庭教師に来てもらうといったかたちで勉強したほうがいいのかなと思います。
もうひとつのやり方としては、サポート校に通いながら高卒認定試験を受けるということも考えられます。この方法ですと、不得意科目についてはサポート校で単位(併習している通信制高校の単位)を取得して、得意科目は高卒程度認定試験を受けるようにすると早道というか、合格しやすいのかなと思います。
※高等学校卒業程度認定試験(高卒程度認定試験/旧大検)については、資料もあわせてご参照ください