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2012年1月29日(日)■登進研バックアップセミナー80
不登校—心の中で何が起こっているのか?
親が直面する5つの「なぜ?」を通して、前に進もうとする心の動きを読み解く
今年も残すところあとわずかとなりました。今年はみなさまにとって、どんな一年だったでしょうか。
「ハッピーバースデイ3.11〜あの日、被災地で生まれた11人の子どもたちと家族の物語」という写真展が話題をよんでいます(http://happybirthday311.jp/)。11人のひとり、陽生(はるき)くんは、病院の駐車場の車の中で生まれました。外は吹雪、余震も続くなか、よく生まれてきてくれたねという思いを込めて、ご両親は名前に「生きる」という字を入れました。やはり車の中で生まれた栞(しおり)ちゃん。産湯につかったのは4日後、自衛隊の給水車が来てからでした。「丈夫で優しい子に育ってくれれば、それでじゅうぶん」とお母さんは言います。
* * *
子どもたちの笑顔は、お母さんお父さんに生きる希望をあたえてくれます。でも、その子が学校に行けなくなり、笑顔が失われていったとき、ご両親は悩み苦しみ、途方に暮れます。どうして行けなくなったのだろう、何を考えているのだろう、この子の心の中で何が起こっているのだろう?
あるお母さんは、中学2年で不登校になった娘さんとの「地獄のようにすさまじい」葛藤の果てに、「娘と車に乗っていて、このままスピードを出せば死ねるかもと思ったこともある」と話してくれました。いつまで続くのかという不安のなかで、その不安とどう向き合い、どう子どもを支えていくか。そのひとつのヒントが、子どもの心の状態を理解することです。「そんなこと言っても、本人が何も話してくれないし…」「理解って口で言うのは簡単だけど、じゃあどうすればいいの?」
そんな疑問にお応えしたいというのが、今回のセミナーの主旨です。子どもの心の状態は時間の経過とともに変わっていきます。日常のなにげない言動から、そうした心の動きに気づくことの重要性をふまえ、お母さんお父さんが子どもの小さな変化から、未来につながる希望を見いだすことができる時間になれば、と思っています。
* * *
第1部は、「不登校─心の中で何が起こっているのか?」をテーマに、子どもの心を理解するための5つの「なぜ?」を取り上げ、その疑問に答えるスペシャルトークです。講師は、鋭い切り口と実践的なアドバイスが好評の小澤美代子さん(さくら教育研究所所長)と、温かくユーモアのある語り口で“癒し系”と人気の海野千細さん(八王子市教育委員会学校教育部学事課長)。おふたりが以下の「なぜ?」について、対談を通してじっくりと掘り下げながら解説し、会場からの質問にもお答えします。司会は、霜村麦さん(臨床心理士)です。
【第1部で取り上げる5つのなぜ】 ①なぜ、安心できる居場所が必要なのか? ②親が距離をとると、なぜ子どもは動き出すのか? ③なぜ、原因を言わないのか? ④いつまで続くのかという不安とどうつきあうか? ⑤子どもの小さな変化をどう理解するか?
第2部は、前回のセミナーで参加者のみなさまから寄せられた進路に関する質問に4人の回答者が答える「1問1答で学ぶ進路選びの基礎知識」です。
この時期、中学あるいは高校への進学をひかえて悩んでいるお母さんお父さんも多いことと思います。進学以外にも、進級に際して「留年(退学)するか、転校するか」といった選択を迫られるケースも少なくありません。
第2部では、不登校に開かれた進路に関する解説はもちろん、「進路の話に拒否反応を示す子」「動き出せない子」「親子で意見がくいちがう場合」「転校するときのポイント」「発達障害のある子の進路」など、多くのご両親が直面する問題に対して、進路を選ぶにあたってぜひ知っておきたい基礎知識を、1問1答形式で解説します。
講師は、小澤美代子さん、海野千細さん、霜村麦さん(臨床心理士)、荒井裕司(登進研代表)。司会は、齊藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)です。
第3部の個別相談では、不登校に関する心と進路の問題にカウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。個別相談は事前にお申込みいただいた方のうち先着30名様に限らせていただきますので、ご了承ください。みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
●開催日時
平成24年1月29日(日)13:00〜17:00(開場12:30)
●会場
SYDビル2階ホール 渋谷区千駄ケ谷4-25-2 Tel.03-3405-5672
【交通】JR代々木駅西口・都営大江戸線代々木駅A2下車、徒歩5分
●定員
160名
●参加費
1000円
●プログラム
【第1部】不登校―心の中で何が起こっているのか?
講師 | 小澤美代子(さくら教育研究所所長) |
司会 | 霜村 麦 (臨床心理士) |
【第2部】1問1答で学ぶ進路選びの基礎知識
回答者 | 小澤美代子(さくら教育研究所所長) |
司会 | 齊藤 真沙美(世田谷区教育相談室心理教育相談員) |
【第3部】個別相談(心と進路の相談)
●参加のお申込み方法
ご氏名・ご住所・電話番号をご記入のうえ、下記お問い合わせ先、または本サイトのフォームにてお申込みください。
※個別相談ご希望の方は、ご氏名・ご住所・電話番号、お子さんの学年(または年齢)・性別、ご相談内容(不登校が始まった時期や現在の状況を400字以内で)、「個別相談希望」とご記入のうえ1月25日(水)までに、郵送、ファックス、メール、本サイトのフォームにてお申込みください。
●
お問い合せ先
〒151-0053 東京都渋谷区代々木 1-43-8
「登校拒否の子どもたちの進路を考える研究会」事務局
Tel. 03-3370-4078 Fax.03-3370-5198
ホームページ■http://www.to-shin-ken.net/
eメール■info@to-shin-ken.net
2011年12月4日(日)■登進研バックアップセミナー79
不登校-「動けない子」をどう動かすか
子どもの小さな変化に気づき、解決にみちびく“親力”をつけよう
「不登校になってからは、毎日、ゲームとテレビに明け暮れ、なにも変わらない、動き出す気配もない状況が続いています」とおっしゃる親御さんは少なくありません。
確かに、「学校に行けない」という意味では、なにも変わらないかもしれません。でも、子どもたちは、どんな状況のなかでも日々成長しつづけています。ちょっと視点を変えてみると、日常生活のなにげない言動のなかに、さまざまな小さな変化が見えてくることがあります。
前回のセミナーのアンケートで、「最近、お子さんになにか変化はありましたか?」とお聞きしたところ、たくさんの書き込みをいただきました。その一部をご紹介しましょう。
- ・部屋で食べたお皿をよく持ってくるようになった
- ・写真を撮ろうとしても逃げなくなった
- ・たま~にシャワーを浴びて、髪を洗うようになった
- ・おしゃれになった
- ・子猫を飼いはじめた
- ・家にいるのはあきたと言い出した
- ・反抗的な態度をおうむ返しにまねたら、思わず吹き出した
- ・ニュースやドラマに興味を示すようになった
そのほか、「無口になった」「朝起きるのが遅くなった」など、一見マイナスに思える変化もありましたが、そろそろ動き出そうかなと思っている子どもが、逆に、その緊張感やプレッシャーから無口になったり、不機嫌になったり、起きるのが遅くなったりすることもよくあります。
* * *
第1部の講演では「不登校─『動けない子』をどう動かすか」をテーマに、上記のアンケート結果を取り上げながら、子どもの変化に気づくにはどんな視点が必要か、その変化にはどんな意味があるのか、さらに、その変化を動き出すきっかけにつなげるために親はどんなサポートができるのかを考えてみたいと思います。子どもの変化(成長・回復)を知ることは親の安心感や希望、そして、子どもを応援していく際の確かな手応えにつながっていくはずです。
講師は、不登校、ひきこもり、家庭内暴力などの問題を中心として、幅広い相談活動を展開している生田倫子さん(神奈川県立保健福祉大学専任講師)。生田さんが長年実践してこられた「解決志向ブリーフセラピー」は、原因追及より、問題解決を優先する点に大きな特徴があります。そして、問題を解決するには、「小さくて、簡単で、ちょっと面白い」変化を起こすこと。それが大きな変化につながるというものです。こうした視点から、アンケートにみられるさまざまな変化について解説を加えながら、子どもが動き出すきっかけにつながる「小さくて、簡単で、面白い」効果的な対応のコツをアドバイスしていただきます。ご期待ください!
第2部は、毎回大好評のシリーズ「父親のための不登校理解講座」の第5回、テーマは「父親の協力で何が変わるのか?」です。
前回のアンケートでは、「お子さんの不登校について、あなたの配偶者(夫・妻)の対応・協力は100点満点で何点ですか?(できれば、その理由もお書きください)」という質問も行いました。
そのアンケート結果をご紹介しながら、「仕事第一、家庭第二」にならざるを得ないお父さんの悩みと、子どもと接する時間が圧倒的に多いお母さんの悩みをすりあわせ、どうしたら互いに心をひとつにして協力していけるのか、お父さんが「減点パパ」から「満点パパ」に近づくことが、不登校の解決にどう影響するのかを探ってみたいと思います。
講師は、小澤美代子さん(さくら教育研究所所長)と荒井裕司(登進研代表)。おふたりが、それぞれ母親と父親の立場から、お父さんへのアドバイスを行うディスカッション形式の講演です。司会は、齊藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)に務めていただきます。とくに、これから進路決定の時期にさしかかるお子さんの場合はお父さんの出番も多くなることから、学校側とのやりとりや情報収集など、この時期に求められる父親ならではの役割についても具体的な助言を行います。
第3部の個別相談では、不登校に関する心と進路の問題にカウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。個別相談は事前にお申込みいただいた方のうち先着30名様に限らせていただきますので、ご了承ください。みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
●開催日時
平成23年12月4日(日)13:00〜17:00(開場12:30)
●会 場
SYDビル2階ホール 渋谷区千駄ケ谷4-25-2 Tel.03-3405-5672
【交通】JR代々木駅西口・都営大江戸線代々木駅A2下車、徒歩5分
●定員
160名
●参加費
1000円
●プログラム
【第1部】講演「不登校―『動けない子』をどう動かすか」
講師 生田 倫子(神奈川県立保健福祉大学専任講師)
【第2部】連続講座「父親のための不登校理解講座」第5回
講師 | 小澤 美代子(さくら教育研究所所長) 荒井 裕司(登進研代表) |
司会 | 齊藤 真沙美(世田谷区教育相談室心理教育相談員) |
【第3部】個別相談
●参加のお申込み方法
ご氏名・ご住所・電話番号をご記入のうえ、下記お問い合わせ先、または本サイトのフォームにてお申込みください。
※個別相談ご希望の方は、ご氏名・ご住所・電話番号、お子さんの学年(または年齢)・性別、ご相談内容(不登校が始まった時期や現在の状況を400字以内で)、「個別相談希望」とご記入のうえ11月30日(水)までに、郵送、ファックス、メール、本サイトのフォームにてお申込みください。
●
お問い合せ先
〒151-0053 東京都渋谷区代々木 1-43-8
「登校拒否の子どもたちの進路を考える研究会」事務局
Tel. 03-3370-4078 Fax.03-3370-5198
ホームページ■http://www.to-shin-ken.net/
eメール■info@to-shin-ken.net
2011年9月11日(日)■登進研バックアップセミナー78
「不登校体験者と直接話せる、質問できる」セミナー
さよなら不登校―こうして彼らは一歩踏み出した
部活内のいじめがきっかけで不登校になり、その後、何度も転校をくりかえしながら、なかなか学校に行けなかった女の子。小4から中学受験をめざして頑張りつづけ、やっとの思いで私立中学に入学したとたん燃え尽きたように登校できなくなり、部屋に閉じこもってしまった男の子。親のすすめで進学した高校の校則があまりに厳しく窮屈で、思っていた学校と違うことから学校に行けなくなり、家でネット三昧の生活をしていた男の子……。
彼らは、今回のセミナーに協力してほしいという私たちの依頼に快くOKしてくれた若者たちです。現在、学生や社会人として、また結婚して家庭を築き、しっかりと自分の足で歩きはじめた彼らは、不登校だった頃、どんな悩みや葛藤をかかえ、どんな道筋をたどって自信や意欲を回復し、動き出すきっかけをつかみ、再び外の世界に向けて一歩を踏み出したのでしょうか。
そんな疑問・質問を、かつて不登校だった若者たちに直接聞いてみたいという参加者からの強いご要望に応えて企画されたのが、今回の不登校経験者と直接話せる、質問できるセミナー「さよなら不登校〜こうして彼らは一歩を踏み出した」です。
* * *
今回のセミナーの最大の魅力は、参加者のみなさまが、不登校を経験した若者たちと直接言葉を交わし、自由に質問できる点です。体験者の話を(一方的に)聞く会はさまざまな団体で開催されており、当研究会でもそうした機会をたびたび設けてきましたが、参加者と体験者がひざをつきあわせてじっくり語り合える機会は、これまでありませんでした。
「わが子に聞いても答えが返ってこない」「学校や進路の話をすると黙り込んでしまう」と悩んでいるご両親も多いなか、この貴重な機会をぜひお見逃しなく! 親子での参加も大歓迎です。
* * *
では、今回のセミナーの流れをおおまかにご紹介しましょう。
① ゲストの若者たち(5人)のプロフィール紹介
不登校になった時期や期間、両親の対応、現在までの経緯などを、簡単に自己紹介していただきます。
② 体験者と参加者のフリートーク
10〜20人の小グループで体験者を囲み、自由に質問やお話ができます。1グループに若者1人のほか、カウンセラー1人が着席し、参加者のみなさまが発言しやすいよう世話役を務めます。
③ カウンセラーによるまとめとアドバイス
5人のカウンセラーが各グループで行われたフリートークの概要を紹介するとともに、若者たちの体験談でポイントとなること(親の対応、動き出すきっかけ、進路選択など)を取り上げ、そのときの子どもの心理状態や、望ましい親のかかわり方などについて、専門的な視点からアドバイスします。
④ シェア(参加者同士が自由に語り合う時間)
さて、あなたなら若者たちにどんな質問をしてみたいですか?
不登校の原因、親の対応で嫌だったこと・うれしかったこと、不登校中の生活(昼夜逆転、ゲームなど)、その頃考えていたこと、勉強の遅れをどう取り戻したか、動き出すきっかけ、再登校への道筋、進路を決めるまでのプロセス、そして、高校を卒業してからのこと……。
基本的にどんなことを聞いていただいてもかまいません。若者たちにどんどん質問してください。ただし、ひとつだけお願いがあります。「自分と同じ思いをして苦しんでいる子どもたちやご両親の役に立つなら」と、勇気をもって出席してくれた彼らへの敬意と感謝の気持ちを忘れずに……。
今回、世話役を務めていただくカウンセラーは、木津秀美さん(富士見市教育相談研究室長)、霜村麦さん(臨床心理士)、齊藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)、小栗貴弘さん(埼玉県スクールカウンセラー)、池亀良一さん(代々木カウンセリングセンター所長)の5人です。
* * *
第2部の個別相談では、不登校に関する心と進路の問題についてカウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。なお、個別相談は事前にお申込みをされた方のうち先着30名様に限らせていただきますので、あらかじめご了承ください。みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
◆開催日時
平成23年9月11日(日)13:00~17:00 (開場12:30)
◆会 場
SYDビル2階ホール 渋谷区千駄ケ谷4-25-2 TEL 03-3405-5672
【交通】JR代々木駅西口・都営大江戸線代々木駅A2下車、徒歩5分地図はこちら(Googleマップ)
◆参加費
1000円
◆プログラム
【第1部】さよなら不登校―こうして彼らは一歩を踏み出した
ゲスト | かつて不登校だった5人の若者たち | 世話役 | 木津 秀美(富士見市教育相談研究室長) 小栗 貴弘(埼玉県スクールカウンセラー) 池亀 良一(代々木カウンセリングセンター所長) |
【第2部】個別相談
2011年6月18日(土)■登進研バックアップセミナー77
不登校-動き出すために必要な“希望”とは何か?
子どもたちの意欲は“希望”を通して明日への一歩につながる
「3月11日から時間が止まってしまった」「本当に悲しいとき、涙は出ないのだと知った」
東日本大震災により被災された方々の言葉です。この案内状を受け取った方々のなかにも、ご自身やご家族が被災されたり、大切な人を亡くされた方もいらっしゃることと思います。過酷な現実を前にして、非力な私たちには、慰めの言葉も力づける言葉も見つかりません。
しかし、子どもたちは“希望”を発信しています。宮城県の避難所・気仙沼小学校では、「大人はみんな暗い顔をしているから笑顔にしたい」と、小中学生6人が3月18日から毎日手書きの「ファイト新聞」を発行。紙面には「気仙沼に春がきた! 桜が咲いていました」「しょんぼりではなく、スマイルでいきましょう!」など、元気いっぱいの見出しが踊っています。
津波の犠牲になった祖父から、生前「プロ野球選手になった姿を見たい」と言われた中学生の男の子は、被災直後から「野球をやりたい」と思い続けていました。「でも不謹慎だと思って口に出せなかった」。愛用のグローブは泥に埋もれて使いものになりません。そこへ全国の野球少年たちからたくさんの野球用具が送られてきたのです。また野球ができる! この日、彼に笑顔が戻りました。
好きなことを続けられること、苦しい状況を打開できる可能性が見つかること、やり直しのチャンスがあること―“希望”は、不登校の子どもたちにとっても、一歩を踏み出す大きなモチベーションとなります。では、どこから、どうしたら希望は生まれてくるのでしょうか。
* * *
今回のセミナーの第1部は、長年、不登校や思春期の問題にかかわってきた岩佐壽夫さん(家庭ケースワーク研究所所長)の講演「不登校?動き出すために必要な“希望”とは何か?」。
不登校の子どもたちは自信や意欲の低下から、やりたいことがあっても「どうせ僕なんか…」とあきらめてしまったり、「自分はダメな人間だ」「進学なんかできるわけない」といったマイナス思考にとらわれて、身動きがとれなくなっていることが多いようです。
中1から2年間、学校に行けなかった男の子がいます。登校しようとすると激しい腹痛に襲われ、外出もままなりません。そんな毎日のなかで彼の心を動かしたのは、お母さんの一言でした。 お母さんは「高校行くの?」とか「これからどうするの?」ではなく、「何かやりたいことあるの?」と聞いてくれたそうです。数日間考えた末、彼は「友だちをつくりたいから高校に行きたい」と伝えました。しかし、学力は小学生レベル。進学なんて無理かも…と不安がよぎります。するとお母さんは「高校に行くには学力が必要だよ」と、まだ外に出られない彼のために家庭教師を頼んでくれたのです(『「学校に行きたくない」って誰にも言えなかった』荒井裕司編著より)。
子どもたちが不登校状態から一歩を踏み出すためには、「自分にもできる」「やり直せる」という希望が必要です。希望を生み出すのは、「あなたなら大丈夫」という親の支えであったり、「行ける学校がある」という情報だったり、励ましてくれる友人の存在であったりします。
「いつになったら動き出すのか」という不安のなかで、親自身が希望をもち続け、それを子どもに伝えるためにはどうすればいいのか。豊富な事例を交えた講演を聞きながら、みなさまと一緒に考えてみたいと思います。
第2部の事例に学ぶ「中高一貫校で不登校になったとき」では、近年増えてきた中高一貫校における不登校の問題を取り上げます。ゲストとして、お子さんが中高一貫校で不登校になった経験をもつお母さんをお招きし、当時のお話を聞きながら進めていきます。この体験談を受けて、齊藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)、池亀良一さん(代々木カウンセリングセンター所長)、荒井裕司(登進研代表)の3名の講師が、最近の傾向をふまえながら、「中高一貫校での不登校の背景にあるもの」「中高一貫校で不登校になったときの子どもの気持ち、親の気持ち」「中高一貫校で不登校になったとき、どうすればいいのか」「転入を考えたとき」などについて、心理面でのサポートのあり方と、進級・内部進学での問題点や、転入を含めた新たな学校選びのポイントなど、進路面の両面から、親にできる具体的な対応策についてアドバイスしていただきます。
第3部の個別相談では、不登校に関する心と進路の問題についてカウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。個別相談は事前のお申込みが必要で、先着30名様に限らせていただきますので、あらかじめご了承ください。みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
※今回に限り、いつも開催している会場とは異なりますので、ご注意ください。
◆開催日時
平成23年6月18日(土)13:00~17:00 (開場12:30)
◆会 場
TKP代々木ビジネスセンター2号館5Fホール 渋谷区代々木1-27-17 TEL03-5304-2071
【交通】JR代々木駅西口・都営大江戸線代々木駅A1下車、徒歩1分 地図はこちら(Googleマップ)
◆参加費
1000円
◆プログラム
【第1部】不登校-動き出すために必要な“希望”とは何か?
講師 | 岩佐壽夫(家庭ケースワーク研究所所長) |
【第2部】事例に学ぶ「中高一貫校で不登校になったとき」
講師 | 子どもの不登校を経験したお母さん 齊藤真沙美(世田谷区教育相談室心理教育相談員) 荒井 裕司(登進研代表) |
司会 | 池亀 良一(代々木カウンセリングセンター所長) |
【第3部】個別相談