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2014年1月26日(日)■登進研バックアップセミナー88
不登校-親の"悩む力"がなぜ子どもを動かすのか
本気でぶつかり、うろたえ、悩み抜くことが状況を動かし、子どもを変える
今年も残すところわずかとなりました。今年はみなさまにとって、どんな一年だったでしょうか。
『もらとりあむタマ子』という映画が話題になっています。元AKB48の前田敦子さん演じるタマ子は「23才大卒 ただ今、実家に帰省(寄生)中」のいわゆるニート。毎日な〜んもしないで、食って寝てマンガ読んで……そんな生活ぶりを父親に責められると、タマ子はこう言い返します。「そのときが来たら動くわよっ!」「いつなんだよ!」「少なくとも……今ではない」。そんな彼女が周囲の人々とのかかわりのなかで少しずつ変わっていき、、、、、、あとはひみつです(^-^)
* * *
毎日食って寝てゲームして…そんなわが子を見てイライラしない親はいません。「いつになったら動き出すのか」「いつまで待てばいいのか」と言いたくなるのも当然です。しかし、真面目な親御さんほど、そんな思いを胸にのみ込んで、「学校に行かなくていいよ」という対応をしようとします。それが"正しいやり方"だといわれているからです。でも、それは本心から出た言葉でしょうか?
前回のセミナーで体験談を聞かせてくれたA子さんが、こんなエピソードを話してくれました。彼女が小5で不登校になったとき、お母さんはカウンセラーに助言されたらしく、すぐに「行かなくていいよ」と言ってくれたそうです。ところが彼女は、それが本心ではないことを即座に見抜き、「私の気持ちをわかったつもりになっていることにムカついた」というのです。
同じく体験者として出てくれたB男くんは、いつも威厳のあるお父さんが泥酔し、トイレの便器にしがみつきながら、「俺が悪かったのか、俺が悪かったのか…」と弱音を吐きつづけた姿を見てショックを受けたといいます。「自分の不登校のことでこんなに苦しんでいたのかと初めて知り、そろそろ動き出さないといけないなと思いはじめました」と話してくれました。
おそらく、子どもを理解するための"近道"はないのでしょう。どこかで聞きかじったような知識で簡単にわかったつもりにならないで、お母さんお父さんも自分と一緒に悩んでほしい、迷ってほしい、苦しんでほしい。そして、一緒にオロオロしながら自分が歩むべき道を探してほしい。子どもたちが求めているのは、そんな親の"本気の姿勢"なのかもしれません。
* * *
第1部は「親の"悩む力"がなぜ子どもを動かすのか〜本気でぶつかり、うろたえ、悩み抜くことが状況を動かし、子どもを変える」をテーマに講演を行います。講師は、日本女子大学人間社会学部心理学科教授の飯長喜一郎さん。臨床心理学を専門とし、不登校や子育て支援にも造詣の深い飯長さんは、実は父親としてわが子の不登校と発達障害に悩み苦しみ、右往左往した経験をもっています。
今は不登校のノウハウ本もたくさんあり、相談機関を利用する方も増えてきました。そこから得た知識や情報で、かたちだけ「学校に行かなくていいよ」と言ってみても、本心は行ってほしくてたまらない。そんな本音を子どもは敏感に察知します。
「結局は、すべてを受け入れることなんですよね」「でも、これがとんでもなく難しい」と語る飯長さんが、ご自身の経験をふまえ、親が本気でぶつかり、本気で向き合うとはどういうことか。そこから親が変わり、子どもが変わり、状況が変わっていく。そんな本当の受容に至る道のりについて、じっくりとお話しいただきます。
第2部「総点検―進路選択に必要な準備と情報〜ミニドラマを通して考える望ましい親の対応」は、参加者のみなさまから寄せられた進路についてのご質問に、4人の専門家が答えるQ&A講座です。
卒業・進学・進級の最大の節目である3〜4月を目前にして、今どんな準備と情報が必要なのか。知っておきたいポイントをきっちり押さえた本講座をお聞き逃しなく!
回答の合間には、各質問のポイントをミニドラマで再現し、問題点や望ましい対応を明らかにしていきます。「わかりやすい」「笑いながら役立つ知識を学べて楽しかった」など、毎回大好評のミニドラマをぜひご覧になってください。
回答者は、木津秀美さん(富士見市教育相談室教育相談専門員)、霜村麦さん(臨床心理士)、齊藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)、荒井裕司(登進研代表)です。
第3部の個別相談では、不登校に関する心と進路の問題にカウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。個別相談は事前にお申込みいただいた方のうち先着30名様に限らせていただきますので、ご了承ください。
みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
●開催日時
平成26年1月26日(日)13:00〜17:00(開場12:30)
●会 場
SYDビル2階ホール 渋谷区千駄ケ谷4-25-2 Tel.03-3405-5672
【交通】JR代々木駅西口・都営大江戸線代々木駅A2下車、徒歩5分
●定員
160名
●参加費
1000円
●プログラム
【第1部】不登校―親の"悩む力"がなぜ子どもを動かすのか
講 師 | 飯長喜一郎(日本女子大学人間社会学部心理学科教授) |
【第2部】総点検―進路選択に必要な準備と情報
〜ミニドラマを通して考える望ましい親の対応〜
回答者 | 木津 秀美(富士見市教育相談室教育相談専門員)
霜村 麦 (臨床心理士) |
【第3部】個別相談(心と進路の相談)
2013年12月8日(日)■登進研バックアップセミナー87
不登校-その登校刺激は彼らをどう変えたのか
若者2人の体験談を通して、状況に応じた登校刺激のあり方を検証する
そろそろコートやマフラーの恋しい季節になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今年もあと2カ月…と思うと焦りや不安がわいてきて、ふとわが子を見れば一日中ゲームやネットやテレビばかり…。このままでいいのかと疑問を感じているお母さんお父さんも多いことでしょう。
そこで今回のセミナーでは、「登校刺激」について考えてみたいと思います。
登校刺激というと、「やってはいけないこと」「悪い対応」と思っている方が少なくありません。しかし、多くの事例から言えることは、子どもが自分ひとりだけの力で立ち上がり、新たな一歩を踏み出すことはきわめてまれだということです。そこには必ずといっていいほど、なんらかの刺激があり、きっかけがあり、支援が介在します。そうした支援やかかわりのすべてを「登校刺激」ととらえ、そのよりよいあり方を探ろうというのが今回のテーマです。
今回、ゲストとして体験談を話してくれるA男くんは、不登校期間中、「毎日、オンラインゲームをやり、テレビを見て、寝るのくり返し」という生活のなかで、母親に「お前のせいでこうなった」と暴言を吐きながらも、一方で、同じように不登校になった友だち3人と夜の公園に集まって、「こんなんじゃダメだよなあ」「俺たちゴミだよなあ」「この先どうなるんだろう」と、不安を吐き出していたそうです。
もうひとりのゲスト、B子さんは、「もともと私自身のなかに『学校に行かなきゃ』という思いはつねにあったし、『よくなっていきたい』という気持ちが強いタイプだったから、何も言われないくらいがちょうどよかった。もし親に何か言われていたら、たぶんパンクしちゃったと思う」と話しています。
そんなふたりが、新たな一歩を踏み出したきっかけ(刺激)とはなんだったのでしょうか。そして、「このままじゃダメだ」と思いながらも、なかなか一歩を踏み出せずにいる子どもたちに、親はどのような支援(刺激)ができるのでしょうか。
* * *
第1部は「不登校ーその登校刺激は彼らをどう変えたのか」をテーマに、登校刺激研究の第一人者、小澤美代子さん(さくら教育研究所所長)を講師に、ゲストとして不登校経験をもつ2人の若者を迎え、齊藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)の司会で行います。2人のゲストのお話を通して、親御さんのかかわりが彼らにどのような影響をあたえたのか、それによって彼らにどんな変化が起こったのか。そのプラス・マイナスの両面から、よりよい登校刺激のあり方を探ってみたいと思います。
現在、A男くんは大学4年生。B子さんは小学校で相談員として働いています。不登校になった時期もきっかけも、一歩を踏み出すまでの経緯も、タイプもまったく違う2人が、どのような刺激や支援を得て、今に至るのか。彼らの歩んだ道のりをたどりながら、いつ、どのような登校刺激が彼らへの支援となり、あるいは妨げとなったかを、小澤さんが豊富な相談経験をもとに分析・解説します。ご期待ください!
第2部の不登校理解講座スペシャル「4人の専門家からの提言」では、ゲーム・ネット依存、きょうだいへの影響、進路選択、発達障がいという、いまもっとも気になる4つのテーマを事例とともに取り上げ、4人の講師がプロとしてズバリ提言を行います。
講師は、不登校はもちろん発達障がいの問題にも詳しい霜村麦さん(臨床心理士)、「不登校の間に何を育んでおくことが、その子の将来にとって重要か」という視点を大事にしている小栗貴弘さん(目白大学人間学部心理カウンセリング学科助教)、当研究会の連携機関である代々木カウンセリングセンターで、長年、不登校の子どもたちに寄り添ってきた原聡子さん(代々木カウンセリングセンター所長)、当研究会代表として家庭訪問活動を中心に全国を飛び回っている荒井裕司(登進研代表)の4人です。第2部の最後には、参加者のみなさまが本日のセミナーの感想や日頃の思いを語り合う「シェア」の時間も設けます。
第3部の個別相談では、不登校に関する心と進路の問題について、カウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。個別相談は事前のお申込みが必要で、先着30名様に限らせていただきますので、あらかじめご了承ください。みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
◆プログラム
【第1部】不登校-その登校刺激は彼らをどう変えたのか講 師 | 小澤美代子(さくら教育研究所所長) |
ゲスト | 不登校を経験した2人の若者 |
司 会 | 齊藤真沙美(世田谷区教育相談室心理教育相談員) |
【第2部】不登校理解講座スペシャル「4人の専門家からの提言」
ゲーム・ネット依存、きょうだいへの影響、進路選択、発達障がい。
いまもっとも気になる4つのテーマに4人のプロがズバリ提言!
回答者 | 霜村 麦 (臨床心理士)
小栗 貴弘(目白大学人間学部心理カウンセリング学科助教) |
2013年9月8日(日)■登進研バックアップセミナー86
不登校-学校に行けば解決なのか
本当の“立ち直り”とは何かを見据えた親の支援のあり方
毎日うだるような暑さが続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
夏休みは、不登校の子どもにとって「学校に行かなくちゃ」というプレッシャーからしばし解放される時間です。休み中はふだんよりも明るくリラックスした表情を見せる子が多く、それだけ「学校に行かなくちゃ」というプレッシャーがいつも心に重くのしかかっていることがわかります。
一方、多くのお母さんお父さんの心を占めているのは、「一日も早く学校に行ってほしい」という思いではないでしょうか。かつてこのセミナーで、あるお母さんがこんなふうに話してくれました。
「カウンセラーに、登校刺激はやめて、わが子をありのまま受け入れましょうと言われて懸命に努力はするのですが、胸の奥では『どうしたら学校に行ってくれるのか』と、そればかり考えていました」
親にしてみれば、「学校に行かないで将来どうなるのか」「このままひきこもりになったらどうしよう」と不安にかられて、「とにかく学校に行ってほしい」と思うのも当然です。しかし、本当の“立ち直り”とは、「学校に行けるようになること」なのでしょうか。
先ごろ国民栄誉賞を受賞した松井秀喜さんが、かつて次のように話していました。
「まわりの人たちは、ホームランが出れば調子がいいと思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。問題は、自分らしいタイミングやスウィングでイメージどおりに打てるかどうか。ヒットやホームランが出るのは、その結果に過ぎません」
第一線で長く活躍する野球選手の多くは、そのコツを「スランプのときにつかんだ」と言います。私たちは、往々にしてヒットやホームラン=「学校に行けるようになること」に着目しがちですが、実は、なかなか学校に行けない子こそ、苦しみもがきながら、今まさに「自分らしいタイミングやスウィング」のコツをつかむために頑張っている途中なのかもしれません。
* * *
そこで、第1部は、「不登校—学校に行けば解決なのか」をテーマに、長年、八王子市の教育相談室長として不登校の子どもたちとそのご両親に寄り添ってきた海野千細さん(八王子市教育委員会指導課主任)を講師に迎え、不登校の解決とは何か、本当の“立ち直り”を支えるために親はどんな援助ができるのかについて、お話を伺います。
「不登校から立ち直る」とは、その子が「自分は自分のままでいいんだ」と思えるようになることだと海野さんは言います。学校に行けるようになるのは、その結果であると。
では、どうしたら傷つき自信を失い、「僕は学校にも行けないダメな人間だ」「私なんかいないほうがいいんだ」といったマイナスの思いをいっぱい抱えた子どもたちが、自分を認められるようになるのでしょうか。そのためのヒントをみなさまと一緒に探してみたいと思います。
第1部の最後には、参加者のみなさまが本日のセミナーの感想や日頃の思いを語り合う「シェア」の時間も設けます。
第2部「不登校なんでも質問箱」では、現在、参加者のみなさまが悩んでいることや疑問に思っていることを質問紙に書いていただき、それに4人の専門家が回答します。
いじめ、ひきこもり、昼夜逆転、ゲームやネット依存、学習の遅れ、進路問題、親の対応のしかた、発達障がいなど、不登校に関することならなんでもOKです。すべてのご質問にお答えできるかわかりませんが、時間のゆるすかぎり取り上げさせていただきます。プロのアドバイスを直接受けられる貴重な機会をぜひご活用ください。
回答者は、不登校はもちろん発達障がいの問題にも詳しい霜村麦さん(臨床心理士)、区の相談室で日々子どもたちや親御さんの悩みに向き合っている齊藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)、「不登校の間に何を育んでおくことが、その子の将来にとって重要か」という視点を大事にしている小栗貴弘さん(目白大学人間学部心理カウンセリング学科助教)、当研究会代表として家庭訪問活動を中心に全国を飛び回っている荒井裕司(登進研代表)の4人です。
第3部の個別相談では、不登校の心と進路の問題について、カウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。なお、個別相談は、事前に申し込みをいただいた方のうち先着30名様に限らせていただきますので、あらかじめご了承ください。
みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
◆プログラム
【第1部】不登校―学校に行けば解決なのか講師 | 海野千細(八王子市教育委員会指導課主任) |
回答者 | 霜村 麦 (臨床心理士)
齊藤真沙美(世田谷区教育相談室心理教育相談員) |
2013年6月30日(日)■登進研バックアップセミナー85
不登校-親の対応で解決は早まるのか?
「一日も早く」と焦る気持ちと「信じて待つ」の間で揺れる親だからこそできることがある
Tシャツ一枚で過ごせる日もあれば、まだ夜は肌寒い日もあり、寒暖の差が激しい今日このごろ。いかがお過ごしでしょうか。
この季節は、子どもたちにとっても心が不安定になりがちな時期です。中学校や高校に入学したものの1週間もたたないうちに登校できなくなった。あるいは、5月の連休明けからぱったり行かなくなったなど、突然の不登校に戸惑っているお母さんお父さんも少なくありません。
また、出席日数の不足から留年になりそうだとか、中高一貫校の場合は内部進学が難しいようだ等々、悩んでおられる方も多いのではないでしょうか。
* * *
前回のセミナーのアンケートに、次のような質問を書いてくださったお母さんがいます。
「子どものひきこもり状態が2年くらい続いています。このひきこもり期間は、親のかかわり方によって短くできるものなのでしょうか。それとも、ひきこもりはその子にとって 必要なものであって、必要な時間だけひきこもらざるを得ないものなのでしょうか」
「一日も早く立ち直ってほしい」と焦る気持ちと、「信じて待つことが大事」という気持ちの間で揺れ動いているお母さんの心が目に見えるようです。不登校やひきこもりの期間は、子どもによってさまざまです。半年足らずで再登校できた子、数年間もひきこもっている子…。その違いはどこにあるのか?と知りたくなる気持ちもよくわかります。
不登校という状態には、さまざまな要因がからみあっており、こうすれば一挙に解決!という“特効薬”のような対処法があるわけではありません。では、何もせず見守っていれば、時間が解決してくれるのでしょうか? 当セミナーでは、これまで2000人を超える親御さんのご相談にお応えしてきましたが、その経験からも、日常をともにしている親御さんのかかわり方が、その子の状態に大きな影響をあたえることは確かだといえます。
* * *
第1部は、「不登校—親の対応で解決は早まるのか?」をテーマに、スクールカウンセラーとしての豊富な経験をもち、不登校に関する著書も数多い、伊藤美奈子さん(奈良女子大学大学院教授を講師に迎え、お話を伺います。
先にあげたお母さんの質問を糸口にして、不登校やひきこもりは、その子にとって必要な時間と考えて待つしかないのか、それとも、適切な親の対応で早期解決が可能なのかに焦点をあて、親のかかわりが子どもにどのような影響をあたえるのか。それによって子どもにどんな変化が起こるのか。また、具体的なかかわり方のポイントなどについても、豊富な事例をまじえながらお話ししていただきます。ご期待ください。
第2部「Q&A 転校を含む進級・進学後の悩み」では、冒頭に取り上げたように、中学校や高校入学後の不登校、連休明けから行けなくなったケース、出席日数や単位の不足から転校を考えているケースなど、この時期に起こりがちな問題について、具体的な事例をあげながらQ&A形式でお答えします。中高生の問題はもちろん、小学校のお子さんのケースや発達障がいをもつお子さんのケースについても取り上げます。
回答者は、ズバリ本質を突くアドバイスが好評の小澤美代子さん(さくら教育研究所所長)、不登校はもちろん発達障害の問題にも詳しい霜村麦さん(臨床心理士)、区の相談室で日々子どもたちや親御さんの悩みに向き合っている齊藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)、当研究会代表として家庭訪問活動を中心に全国を飛び回っている荒井裕司(登進研代表)の4人です。
第2部の最期には、参加者のみなさまが本日のセミナーの感想や日頃の思いなどを語り合う「シェア」の時間も設けます。
【第3部】の個別相談では、不登校の心と進路の問題について、カウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。なお、個別相談は、事前に申し込みをいただいた方のうち先着30名様に限らせていただきますので、あらかじめご了承ください。
みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
◆プログラム
【第1部】不登校―親の対応で解決は早まるのか?講師 | 伊藤美奈子(奈良女子大学大学院教授) |
回答者 | 小澤美代子(さくら教育研究所所長)
霜村 麦 (臨床心理士) |
【第3部】個別相談(心と進路の相談)
第2部「Q&A 転校を含む進級・進学後の悩み」で取り上げた質問
Q1 僕の人生はドロドロだと言う小3の男の子
小3の息子は、今年1月から学校に行けなくなりました。原因は、友だち、先生、そして苦しんでいるのに親が無理に行かせようとしたことにあると思っています。この半年間、気持ちが不安定で、ほとんど外に出ていません。
現在、日常生活はだいたい普段どおりになり、仲良しの友だちと家で遊んだりもするようになりましたが、友だちと遊んでいるとき以外は、「つまらない」「やりたいことが見つからない」「僕の人生は過去も未来もドロドロだ。だからやり直したいんだ」と、口ぐせのように言っています。今後、親はどんな心構えで息子に向き合っていけばよいでしょうか。
Q2 行ける日と行けない日の不思議
小2の娘のことでお聞きします。小学校の低学年だからかもしれませんが、明日学校へ行くことをウキウキしながら語ってくれる日は、翌日、登校直前に「おなかが痛い」「気分が悪い」「眠い」などとベッドにもぐり込んでしまいます。逆に、「行けないかもしれない…」とすごく言っていたのに、すっと行ってしまったりします。これはなぜですか。不思議です。
Q3 中学受験で疲れきった男の子
私立中学受験のため、小3の冬から大手進学塾に入れましたが、5年の冬に疲れが出て気力が続かなくなり、塾をやめたいと言い出しました。同時に学校への登校もしぶるようになり、6年の2学期から不登校になりました。
結局、受験はせず、今年4月より公立中学校に進みましたが、一日も行っていません。荒れた昨年に比べればだいぶ落ち着きましたが、外出はできません。子どもにエネルギーがたまるのを見守りながら待っている状態ですが、今後どう対応すべきでしょうか。
Q4 中学校での勉強が予想以上に大変で自信を失った男の子
今年4月、私立中学に入学しましたが、予想以上に勉強や通学が大変で、学力的にも自信を失い、5月の連休明けから不登校になりました。今は家でゲームばかりしており、外に出たがらず、食事もあまりとりたがりません。
学校に戻らなければという気持ちはあるようですが、ひどく自信を失っているうえ、再登校して友だちから「ひきこもっていたのか?」などと悪口を言われるのを恐れて行動に移すことができません。先日、無理やり学校までひっぱっていったら、友だちにいろいろ言われたらしく、その後、対人恐怖症ぎみになっています。
どうすれば再登校させることができるのか、あるいは公立中学に転校すべきなのか迷っています。
Q5 今の学校は嫌いという中2(中高一貫校)の女の子
昨年、中1の11月に「今の学校は嫌いだ」「自分で選んだ学校じゃない」と言い出し、学校に行かなくなりました。
今年4月、適応指導教室の話をしてみましたが行きたくない様子で、「今後どうしたいの?」と聞いても涙ぐむだけでした。ところが、5月の連休明けから自発的に週2日、塾に通いはじめ、昼夜逆転の生活もほぼ通常の状態に戻っています。
学校側からの退学勧奨はありませんが、中3の1学期で附属高校への進学判定がなされ、その時点で不登校であれば進学はできないと説明を受けています。
親としては、適応指導教室に通ったあと公立中学に転校するのがいいかなと思っていますが、本人は「私立から公立に転校するなんてありえない」と言っています。今後の対応や進め方についてアドバイスをお願いします。
Q6 発達障がいの二次障がいに悩む中3の女の子
娘は軽い発達のかたよりがあり、勉強でも友人関係でもちょっとしたことでつまずきやすく、小6の9月頃から学校に行けなくなりました。そのときは、親が無理にひっぱって登校させ、なんとか小学校を卒業しました。
中1の6月頃から「私を笑う人がいる」「悪口を言う人がいる」と言うようになり、遅刻や欠席が増え、7月からは完全に不登校になりました。
中2の4月から在籍校の通級学級に通いはじめ、元気な様子でホッとしていたら、6月頃から再び不登校になりました。その後、うつの症状が出て、中2の秋から中3の現在まで、精神科に通院中です(診断は「神経症」)。
最近は表情も明るく、家族となら喜んで外出するようになりましたが、「勉強が苦手で、人とコミュニケーションをとるのが苦手な自分はダメな人間だ」と落ち込むことも多く、すっかり自信を失っています。この先どうしたらよいか不安です。
Q7 やる気を失った定時制高校1年の男の子
夫が単身赴任になった昨年の4月、息子は中3で不登校になり、卒業まで教室に入れませんでした。現在、定時制高校の1年生ですが、満員電車がつらいようで、週2日くらいしか通えず、しかも遅れて行くような状態です。
家で勉強はほとんどせず、親しい友だちもおらず、何事にも意欲が感じられません。食事は家族(母と姉妹)と一緒にとり、普通に話もしますが、気に入らないことがあると私に当たりちらし、物を投げつけたり、「死ね」「うるさい」「殺してやる」と罵倒します。その反面、私にすごく期待しているようで甘えてきます。この子に日常的に向き合うのは私だけなので、正直疲れてしまいました。
この子を再生させるには、優しく受容するだけではダメなような気がします。親の私たちが、何かきっかけや刺激を与えることはできないのでしょうか。
Q8 漫画家になりたいという高1の女の子
小学校から習っているピアノをもっと勉強したいと音楽科のある高校に進学しましたが、入学直後に風邪で1週間休んだことがきっかけとなって前向きな気持ちがなくなり、5月中旬からずっと休んでいます。中学で不登校を経験しているので、やはり全日制はきつかったのでしょうか。
ピアノ以外に作曲や音響デザインなどもやりたいと意気込んで入った学校ですが、今はやりたいことが変わり、「漫画家になるために、もっと絵を描く時間がほしい」「今の学校に行きながらだと、そのための時間がとれない」と悩んでおり、最近はあまり笑いません。
今の学校に戻るか、別の道に進むかは本人の気持ちしだいですが、そろそろ単位や欠席日数のリミットが迫っているので、どうしたらよいか悩んでいます。
Q9 受験に失敗したショックで不登校になった高1の女の子
今年4月に大学附属の女子高に入学しましたが、入学式から5日間登校しただけで行けなくなりました。その女子高は本人の第一志望ではなく、受験に失敗したショックが大きかったのかもしれません。高校は休学することになり、現在、その手続きをしているところです。
必要があれば外出もし、習いごとや塾にも通っていますが、口には出さないものの、気持ちは暗く、つらそうです。本人が元気になり、前向きになるために、親はどんなつきあい方をしていけばよいのでしょうか。
Q10 学校に行くと気分が悪くなる高1の男の子
今年の4月下旬から起床時間が遅くなり、毎日せかすようにして学校に送り出していました。担任からも、電話で「登校してもなかなか教室に入らず、保健室やトイレに行っていて、授業に遅刻することが多い」と言われました。
5月の中間テスト当日、気分が悪いのに頑張って登校したものの、やはり集中できず、さんざんな結果でした。その頃から行きたくても行けない状態が続くようになり、登校できた日も気分が悪くてずっと机に突っ伏していたようです。
なぜ気分が悪くなるのか聞くと、「人ごみが嫌だ。自分の口臭が気になって、まわりの人が臭いと思っているのではないかと不安になる」と言うので、大学病院の口臭外来を受診しましたが、とくに問題はないといわれました。
なんとか登校させてやりたいのですが、毎朝、制服を前に考え込んでいる姿を見ると、無理に行かせる気にはなれません。どうか子どもを助けてください。
Q11 学校をやめたいという高2の男の子
高2の息子は5月の連休明けから休みがちになり、最初は無理やり行かせていましたが、帰宅すると心身ともに疲れきった様子でぐったりしていました。
もう限界だと感じ、「行きたくないなら、行かなくていいよ」と言うと、「行きたくない。学校をやめたい」と答え、5月下旬から学校に行っていません。
内向的でおとなしい性格の息子は、クラスの雰囲気になじめず孤立していたようで、これまでの高校生活は苦痛の連続だったと言います。そんな思いまでして無理に登校させても気持ちがすさむばかりだと思い、親として学校をやめてもいいのではないかと考えるようになりました。
ただ、本人も学校をやめて毎日家にいるのは嫌だと言っています。学校をやめてこれからどうしたらいいのか、親子で悩んでいます。