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体験者が語る「サポート校の選び方」
*この資料は、これまで当セミナーにゲストとして出席していただいた体験者の方々のお話をまとめたものです。高校進学に際して、「なぜサポート校を選んだのか?」「選ぶときの決め手になったことは?」などの質問に、かつて不登校だった若者たちや、その親御さんが答えてくださいました。今後の進路選択にあたって参考になれば幸いです。
「不登校をしている子ども自身が心の支えになっている」と答えた方が想像以上に 多かったのには驚きましたが、同時に、うれしい気持ちでいっぱいになりました。今は「支えがない」と答えた方も、もしかしたら自分では気づかない誰か(なにか)に支えられているのかもしれませんね。
◇親から見た「サポート校選びの決め手」になったこと
● | 「親の会」で高校進学の話になったとき、高校入学後にまた不登校になった場合に出席日数不足で挫折することが多いと聞いていました。だから、娘には出席日数を心配しないで済み、登校できない場合もきちんとフォローしてくれるサポート校がいいと思って、サポート校の合同説明会などに出かけて探しました。 候補に選んだのは2校で、そのうち中学校の担任がすすめてくれた1校は自宅に近いため、娘が嫌がりました。もう1校は都内の学校で、親子3人で学校見学に行き、面談もして、娘の希望条件である「男女共学」「制服があること」「好きな陸上の部活があること」を満たしていたので、最終的にそこを選びました。決め手は、スポーツ大会の見学でした。すごく明るくて活気にあふれていて、娘にとってはそれがよてもよかったようです。 |
● | 息子と一緒に2つのサポート校に見学に行きました。ひとつは横浜にあったんですが、茶髪の子がいたりして、息子も自分とは合わないと感じたようで、結局、もうひとつの都内にある学校に決めました。 人ゴミが大嫌いだった子が、新宿経由で通うその学校を選んだのには驚きました。ほかがダメだったからというだけではなく、敏感な子が実際に見学に行ってみて、「ここなら通えるんじゃないか」と感じとったのではないかと思います。 |
● | 不登校の進路相談会に行ったり、中学校の先生にも相談して、サポート校をいくつか見学に行きました。本人はあまり乗り気ではなかったですが一緒に連れて行き、2~3校見学してから、この子に合うと思える学校を選びました。中学校の先生も「その学校がいいと思っていた」と言ってくれました。 本人は、まだ決めかねていたようですが、だからといって、ほかにどこか行きたいところがあるわけでもないので、私の判断で決めました。その後の息子の様子を見ていて、その判断は間違ってなかったと思っています。 |
● | 娘と一緒に5つのサポート校を見学しました。その中で、娘が気に入ったところがあったんですが、そこは通学に1時間ほどかかり、しかも大きなターミナル駅で乗り換えなければならないので、人慣れしていない娘は「こんなの絶対無理!」と言い、もっと自宅に近いところにしようという話になりました。 しばらくして娘が「やっぱり最初にいいと思ったところに行きたい」と言ってきました。理由を聞いてみると、学校見学の際に授業の様子を見たことが決め手になったようです。娘は、高校に行ったらちゃんと勉強しようと考えていたらしく、「あそこなら、しっかり勉強できそうだから」と言っていました。 |
● | 高校に入れるかと心配していたところ、フリースクールと連携しているサポート校の校長先生がときどき家に来て話をしてくれたので、行き先が見えたような気がして安心しました。ほかの高校の学園祭なども見に行きましたが、ケバいというか、本人も自分には合わないと思ったようです。 最終的な決め手となったのは、そのサポート校の学園祭を娘と一緒に見に行って、本人が「ここがいい」と言ったこと。本人が動き出したら、本人の希望するところでいいと思っていたので、娘の意思にまかせました。 |
● | 本人に進学の意思が出てくるまでは、できるだけ情報を集めて引き出しをいっぱいつくっておこうと思っていました。中3の2月頃、「高校の卒業資格を取りたいんだけど、どうしたらいい?」と聞いてきたので、待ってました!とばかりに、通信制、定時制、サポート校など、集めていた情報を見せました。 ただ、私自身も2月段階から準備して間に合うのかわからなくて、「ここまで来たら、1年延ばしてもいいんだよ」と言ったんですが、本人は今年で決めたいようで、やはりみんなと同じように受験したいのかなあと思いました。 娘には「実際の雰囲気を知るためにも、学校説明会や見学に行ったほうがいいよ」とアドバイスしましたが、本人が見学に行けるかどうか心配で……。娘は長いあいだ電車に乗ったことも、ひとりで外出したことも、家族や親戚以外の人と口をきいたこともないので。 ところが、あるサポート校の学校説明会に一緒に出かけると、自分から個人面談を受けたいと言い出して、対応してくれた先生とざっくばらんに話をしているんです。半径3キロしか動けなかった子が……と思うと、何か不思議な光景を見ているような気分になりました。そのあと本人が、「この学校に来たい」と言ったので、じゃあ、なんとかして入学させてもらおうという感じになりました。 |
◇子どもから見た「サポート校選びの決め手」になったこと
● | 両親が、サポート校、通信制、単位制など、いろいろな学校の情報を調べてくれていて、何校か見学にも行っていて、「ここはいい雰囲気だった」とか、いくつか学校をすすめてくれました。 私自身も「このままでは高校には行けない」と言われて落ち込んでいるときだったので、「こんな高校もあるんだ」とちょっと救われた感じでした。 その後、親と一緒にサポート校を5~6校見学しましたが、その中で、今、私が通っているところは、先生や先輩の雰囲気がすごくよくて、ここだったらやっていけるかなと思いました。雰囲気がいいというのは、ギャルっぽい子がいないということです。私自身、あまり派手なほうじゃないし、中学時代に派手な感じの子とトラブルになったこともあったので、それが大きな決め手になったと思います。 |
● | フリースクールに通っているとき、そこと連携している「サポート校」というのがあるのを知って、そこならフリースクールからも近いので、いいかもと思いました。それからもあちこち学校見学に行きましたが、やっぱりそのサポート校がいいと思って決めました。その前のフリースクールも自分でインターネットで探して通うようになったし、サポート校のときも、両親は「自分で決めたことだから」と私の意思を尊重してくれました。 |
● | これが決め手だ!というのはとくにありませんが、いくつものことが重なってサポート校に行くことになったと思っています。 ひとつは、留年が決まったときに、自分と同じ不登校の友だちが4月から定時制高校に通い始めたことです。それで自分もそろそろ動き出さないといけないなと思いました。また、母が「9月からの編入のタイミングを逃すと2年遅れになってしまうし、最後のチャンスかもね。知り合いのいない新しい環境もいいんじゃない?」とアドバイスしてくれたのも大きかったです。 その後、見学に行ったサポート校が都内にあるので、地元の友だちと会うことも少ないし、自分には合っていると感じました。校舎も街なかにある普通のビルのような感じで、高校っぽくないというか……。自分は高校で嫌な思いをしているので、普通の高校のように、みんなでワイワイガヤガヤやっているようなところには行きたくないと思っていました。だから、そのこぢんまりした感じがよかったです。それらのことが重なって、そのサポート校に決めました。 それもこれも母親が地元だと行きにくいという自分の気持ちをくみとって、都内にサポート校を探してくれたのがいちばん大きな要因だったと思います。 |
● | 決め手は、サポート校の校長先生が直接面談してくれて、それが強く印象に残ったからです。中学受験をして私立に入学しましたが、まわりの生徒はみんな勉強勉強ばっかりで、自分とは合わない世界に入ってしまった感じでした。サポート校は、不登校を経験している生徒が多く、共通の体験があるから話も合うのでよかった。 |