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登進研のチエブクロウ(1)昼夜逆転
「登進研のチエブクロウ(知恵袋)」は、不登校について多くの親御さんが疑問に思っていること、悩んでいることを取り上げ、疑問解消や問題解決のヒントとなる情報をご紹介するページです。
これらの情報は、これまで登進研が行ってきたセミナーの講演、体験談などから採録したものです。お子さんへの理解を深め、よりよいかかわり方を考えるうえで、お役立ていただければ幸いです。
◇ 昼夜逆転は、なおそうと思ってもなおらない
小澤美代子(さくら教育研究所所長)
不登校の初期のころは、よく、昼夜逆転しているからいけないんだ、夜ふかしするから朝起きられないんだ、それさえなおれば学校に行けると思われがちですが、そうではありません。 朝起きても行けない、行く目的もない、行く希望もないから、起きる気持ちにもならない。これが現実です。
ですから、学校に行くとか、なにか目的ができれば、すぐに改善されます。本気で行こうと思ったら、子どもは徹夜して寝ないでも行きますから、あまり昼夜逆転にこだわらないほうがいいですね。昼夜逆転にこだわると、ふとんから引きずり出したり、どなりあいになったり、その結果、親への暴力が始まることもあり、不登校から家庭内暴力という、まったく違った問題にずれていってしまう可能性もあります。
◇ 目的や目標ができれば生活リズムもなおる
池亀良一(元・代々木カウンセリングセンター所長)
不登校になると、なぜ、昼夜逆転の生活になる子が多いのでしょうか。昼夜逆転をなおす方法を考える前に、親御さんは、まず、このことを考えてみてほしいと思います。つまり、子どもの立場に立って考えるということです。
多くの子どもたちが口にするのは、ほかの子が学校に行って勉強している昼間の時間に、自分は家にいてゴロゴロしている。そういう自分の状況に対して、強い罪悪感をもっているということです。昼間起きていれば、嫌でもそのことを考えてしまう。だから、寝ているほうがいいというわけです。あるいは、日中家にいる自分の姿を近所の人に見られるのが嫌だという子もいます。世間の目を非常に気にしているのです。 まず、こうした子どもの気持ちを、理解することが大切です。
結論からいえば、昼夜逆転については、子どものなかにそういう生活をなおしたいという気持ちが芽生えてくるのを待つしかありません。本人のなかに何かをやろうという目的が生まれれば、自分から生活リズムをなおそうという意識が出てきます。
ある不登校の男の子は、長く昼夜逆転の生活を続けていましたが、小説家になりたいという夢をもっていました。そして、それを実現するために、たくさん本を読んだり、小説を書かなければならないと自分で目的を決めてからは、生活リズムがガラッと変わりました。
◇ 子どもの言葉
「母親が家にいるころは、完全な昼夜逆転の生活で、『夜はおいらの世界』みたいな感じ。夜だと、親と顔を合わせないですむ」
中学1年の2学期から学校に行けなくなった男の子。中学受験を経て、「いい中学、いい高校、いい大学へ」という親の価値観が疑わしくなり、学校に行きたくなくなった。親と顔を合わせれば、学校の話になるのはわかっているので、昼間は部屋にこもっていた。その後、母親がパートに出るようになると、昼夜逆転は自然に改善されたという。
「最初のころは、ほとんど昼夜逆転。規則正しくなったのは、フリースクールに通うようになってから。次の日になにか予定があると、『早く寝なきゃ』と思うからなおる」
中学2年のとき、不登校になった女の子。何度も転校をくりかえしたが、どうしても学校に行けなかった。両親も万策つきたと思ったころ、本人が自分でフリースクールを探してきて通いはじめた。そこには一日も休まず通ったという。
「それ以前はなんにも予定がないから、いいや、とか思って、よく寝るのが朝方になったりしていました」