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登進研のチエブクロウ(5)不登校だったこと、後悔してる?
「登進研のチエブクロウ(知恵袋)」は、不登校について多くの親御さんが疑問に思っていること、悩んでいることを取り上げ、疑問解消や問題解決のヒントとなる情報をご紹介するページです。
今回は、「不登校だったこと、後悔してる?」。あのころをふりかえって、子どもたちは何を思うのか。その答えは……。
◇ 子どもの言葉
「不登校を経験しなかったら出会えなかった友だちや恩人がたくさんいる」
中学1年から3年まで、学校に行けなかった男の子。高校再受験の予備校に通い、1年遅れで高校生に。
「1年遠回りしたという負い目はありますが、不登校になって後悔したのは、出席日数の不足で高校に落ちたときだけです」と言い切る。
不登校だった2年間、毎朝迎えにきてくれた友人。通学路を一緒に歩いてくれた児童相談所の相談員。そして、父と母。たくさんの人たちに支えられてここまで来た。
後悔ではないけれど、いちばんつらかったのは「母に泣かれたとき」と言い、このときばかりは涙をみせた。
「中学に行けなかったことは後悔してないけど、何もしないで休んでいただけというのが、本当にもったいなかったなぁと」
中学校1年の5月から3年間、学校に行けなかった女の子。
不登校だったころは、毎日何をやるでもなく、待ち合わせで時間をつぶしているような感じだった。今(専門学校でトリマーの勉強中)なら一日のなかでいろんなことができるけど、そのころはあっという間に一日が終わってしまう感じがした。
「今になって中学時代の3年間を本当に後悔しているんです。あんなに時間があれば、いろんなことができたのに、って」
「学校に行ったことも行かなかったことも、全部含めて自分にプラス」
小学校から高校までの約8年間、不登校の状態が続いた女の子。
「学校に行かなかったことで、ちゃんとした生活をしてないように思われるかもしれないけれど、これまで歩いてきた道は、すべてこれからのためにあると思っている。不登校になったから現在の自分がある」
ただし、不登校体験は大学で親しくなった友だちにも絶対言わない。
「わかってもらえると思えないから。頑張って学校に通いつづけてきた人には、私のような人間が頑張らなかったように見えて許せないんじゃないかと思う」
「不登校したことを、今は悔いています。でも、その悔いを、どうプラスに転換するかが大事なんじゃないか」
小学校4年のころから中学卒業まで、学校に行ったり行かなかったりの状態が続いた男の子。原因は自分でもよくわからない。両親の仲が悪く、そんな両親に反抗する気持ちもあったが、それが理由かといわれると、判然としないという。
中学卒業後、親のすすめる高校を拒否しつづけ、気づいたら2年が経っていた。「このままだと、そろそろ人生ヤバいかもしれない」と、サポート校に入学。その後、もう一度自分を見つめ直したいと考えて、中国の大学への留学を決めた。
「2年遅れで高校に入り、さらに中国に2年留学するとなると、人より4年も遅れてしまう。でも、人ができないことを中国で学ぶんだ。英語をしゃべれる人はいっぱいいるけど、中国語を話せる人はそんなにいないだろうと思って、留学を決意しました」
これからは、今の自分を大事にして生きていきたいという。
「過去は消せないし、だったら今後、どう生きていくか。それが、今の自分にとってはいちばん大事なことなんです」
「不登校を経験してよかった。もし、経験しなかったら、うすっぺらい人間になっていたような気がする」
私立中学2年のときに、不登校になった女の子。
その中学校を退学したあと、2回転校したが、やはり学校に行くことはできなかった。それまでは明るく率直でよく笑う子だったが、「一時期、まったく笑わなくなった」(お母さん談)。
その後、自分でフリースクールを探し、そこに通うようになってから、徐々に元気を回復。高校はサポート校を選んだ。
夢は先生になること。大学も教育学部を選んだ。サポート校で出会った先生が大好きだから、そんな先生になりたいという。
◇ お母さんの言葉
「不登校があったから、今の私がある」
娘は、中学1年の12月から卒業までの2年3カ月間、学校に行くことができませんでした。最初に中学校の相談室に行ったとき、スクールカウンセラーの先生に言われた言葉を今でも忘れません。
その先生は、笑顔で「お子さんが不登校になった親御さんは、みんなあとで本当によかったとおっしゃるんですよ」と言ったんです。
そのとき私は気持ちがどん底で、「この人は何を言ってるんだろう」と腹が立ちましたが、今考えると、あの言葉は本当だったんだなと思います。不登校があったからこそ今の私があるし、娘も不登校を経験して、今の自分があると言っています。